「そ、それってどういう…」
「いや、電話かけてもメッセージ飛ばしても返事が来ねぇんだよ」
耀平が呆れたように言う。
「アイツ、一体どうしたのか…」
耀平はそう言ってウィンドブレーカーのポケットに手を突っ込む。
「他の皆は知らないの?」
わたしは師郎に目を向けたが、彼はいいやと首を横に振るだけだった。
「そっか…」
わたしはそうこぼしてうつむく。
「…情報屋のミツルにも聞いたけど、この1週間ネロを見たって奴はいないらしい」
ポツリと耀平が呟く。
「アイツは今家にいるのか、それとも…」
耀平はそう言いながら下を向く。
「ねぇ耀平」
わたしは気になる事があったので、思わず耀平に話しかける。
「ネロとあの子…”オーベロン”て子との間に、何があったの?」
わたしがそう聞くと、途端に耀平は眉をひそめた。