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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 15.オーベロン ⑲

「奴の異能力…”オーベロン”は、”一定範囲内の他人を思いのままに操る”異能力だ」
奴はそれを使って、意のままにクラスメイト達を操った、と耀平は続ける。
「そしてネロを排除しようとした」
耀平は淡々と言う。
「最初は単に仲間外れにする所から」
最終的には悪質な嫌がらせ、陰口へとエスカレートしていったんだ、と言って耀平はイスの背にもたれた。
「…先生は、どうしたの?」
クラスの皆がそんな事してたら、先生も気付くんじゃないの?とわたしは尋ねる。
「どうやら先生はちゃんと取り合ってくれなかったらしい」
もっとも、先生もオーベロンに操られたらしいが、と耀平は付け足す。
「親もちゃんと取り合ってくれなかったみたいで、だんだんネロは追い詰められていったんだ」
そこまで言って、耀平は頭の後ろへ手を当てた。
「…それで、最終的にネロはどうしたの?」
わたしが恐る恐る聞くと、耀平はこう答えた。
「いじめに耐えられなくなって、アイツは学校に行くのをやめた」
最初は親に滅茶苦茶文句言われたらしいけどな、と彼は言う。

  • ハブ ア ウィル ―異能力者たち―
  • 明日は遅くまで出かけるので投稿できないかもしれない
  • そしたらごめんね
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