0

ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 15.オーベロン ⑳

「元々アイツはクラスに友達があまりいなかったらしいから、突然学校に行かなくなっても誰も心配しなかったらしい」
耀平は続ける。
「…それでもアイツは完全に学校に行く事を諦めたワケじゃない」
耀平は後頭部に回した手を下ろす。
「さすがに中学校はちゃんと行かないと、進学に関わってくるからだろう…アイツは、中学にはちゃんと行こうとしたんだよ」
そのためにわざわざ同じ小学校の奴が通わないような遠くの学校に進学したんだ、と耀平は言う。
「でもさ」
耀平はテーブルに肘をつく。
「肝心のその進学先に、例の論手 乙女がいたんだ」
その言葉に、わたしは思わず何で?と尋ねる。
「何でって…偶然って奴だよ」
たまたまソイツがネロの進学先の学区内に引っ越しただけだ、と耀平は呟く。
「ついでに同じクラスになってしまったらしくて、ネロはどうにもこうにもソイツと関わらざるを得なくなっちまった」
その上、と耀平は頬杖をつく。
「ネロは論手 乙女から、あの時のいじめは自分が黒幕だった、と言われたらしい」
耀平は呆れたように言った。

  • ハブ ア ウィル ―異能力者たち―
  • なんだかんだ予定より早く家に帰れたので
  • 今日も投稿です
レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。