耀平にそう聞かれて、黎は静かに口を開く。
「…学校の帰りに、ネロに会った」
それでアイツと話した、と黎は続ける。
「何を?」
今度は師郎が尋ねる。
「何って…色々」
「いや色々って何だよ」
もうちょっと具体的にできない?と師郎が言う。
「…」
黎は黙りこくってしまった。
わたし達の間に、少しの間微妙な沈黙が流れた。
「…ネロは、どんな感じだった?」
沈黙に耐えられなくなった耀平がこう尋ねる。
「ネロは…いつもとちょっと違った」
あと、と黎は言う。
「ちょっと寂しそうだった」
「…」
耀平はその言葉に閉口する。
「だから、会いに行ってあげた方が良いと思う」
黎はポツリと呟く。