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あめの日、マッチを擦って

たのしい雨ふりの日
とっておきのゴム長靴にレインコート
玄関あけたら水たまり蹴っ飛ばして歩きだす

まっしろ雨ふりの日
見上げたそらは近くて遠い
手が届いたらきっとふわふわの雲
払ってもはらってもやまない雨だ
拭ってもぬぐってもきりがない雨だ

ひとりぼっち、雨ふりの日
ひろげた傘の小さな宇宙
雨つぶは垂直にぼくを囲んで
洋服の裾をゆっくり濡らして
やまないやまない雨ふりの日
いつまでもいつまでもやまない雨雨雨雨

つめたい雨ふりの日
まだ明るい午後、お家に帰って
ボタンひとつでお風呂わかして
しめった髪の毛シャワーでとかして
ふかふかのバスタオルとドライヤー
何日かぶりの石油ストーブに火を入れて
お湯を沸かしてティータイム
窓のそとはずっと雨

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  • 村雨さん、はじめまして。ふらかです。
    レス、ありがとうございました。過分な評価、恐れ入ります。

    独特なリズム、というお言葉をいただきましたが、村雨さんもつい口をつくような、跳ねるような言葉たちで、スライドを次々変えるような情景にとても心を惹かれました。センス、という言葉で語るにはどうも浅はかな感想ではありますが、ふわりとした自然体のような構成の中に緻密な思惑を感じる、とても素敵な詩だと思います。

    改めて、素敵な言葉をありがとうございました。今後ともよしなにお願いします。