「まぁまぁ、ネロの部屋はとっ散らかりがちだし」
しゃーないしゃーない、と師郎は咄嗟にフォローする。
「いや、それはそうだけど…」
まさかこんな時に…と耀平はうなだれる。
「1週間ずっと探したけど、結局見つからなかった」
だから皆と連絡できなかった…とネロは呟く。
「…」
耀平は呆れたように黙り込む。
「ごめん、耀平」
何か…色々と、とネロは申し訳なさそうに言う。
「だから、スマホ探すの手伝って」
ネロにそう言われても耀平は暫く黙っていたが、やがて諦めたようにため息をついた。
「…分かったよ」
そう言って耀平は顔を上げる。
「でも1つだけ約束な」
耀平がそう言うと、ネロは目をぱちくりさせる。
「先週の日曜日、何があったのか教えろ」
あの女と何があったか、全部と耀平は続ける。
「…分かった」
全部話す、とネロは答えた。
「それなら良いや」
とりあえず上がるぞ、と耀平はネロの家の扉を開け中に入った。
わたし達3人も、それに続いた。