「…急に離れたりしてごめん」
でもあの時、本当の事を言ったら皆に止められそうだと思ったから…とネロはうつむく。
「まぁそんな事良いから」
続けて、と耀平はネロに言う。
ネロは静かにうなずいて続きを話した。
「アイツをどうにか説得して、人気のない所へ連れ出した」
そしてその場で復讐するつもりだった、とネロは言った。
「…で、そこにおれ達が辿り着いたと」
耀平はそう言いつつ腕を組んだ。
「…結局、耀平達に邪魔されたりして復讐はできなかった」
でも、とネロは呟く。
「ボク、アイツに復讐したい」
アイツから記憶を全部奪って、苦しませたいとネロは続ける。
「うーん」
耀平は背後の床に手をつく。
「復讐したってお前の過去は変わらないし…」
そもそも奴の異能力に勝つのは難しいし、と耀平は言う。
「そんな事は分かってるよ」
それでも…とネロは下を向く。