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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 15.オーベロン ㉞

「よぉ、論手 乙女」
飛びかかってきた少女は、手に持つ鎌を論手 乙女の首に近付けた。
「これは…どういう事なの?」
論手 乙女は少女に向かって怪訝そうな顔をした。
するとネロはハハハハハ!と高笑いした。
「実は俺は滋賀 禰蕗じゃない」
そう言うと、彼女の姿は陽炎のように揺れて背の高い少年の姿に変わった。
「俺は、ネロの友達だ」
背の高い少年…師郎は笑う。
「…なるほど」
つまり他者に化けられる異能力者が滋賀さんに化けて私の気を引いて、本物の方は隙を突いて私に襲い掛かったワケね、と論手 乙女は言う。
「まぁ、そういうトコだね」
ネロは大鎌を論手 乙女の首から話しながら呟いた。
「アンタにもう2度といじめられないための脅しってワケだ」
ネロはそう言って笑う。
論手 乙女はふーんと答える。
「ま、私があなたにあれ以上の気害を加えるつもりはないのだけど」
は?とネロは論手 乙女を睨む。

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