「そんな根拠どこにあるんだよ」
アンタの異能力ならいくらでもボクに手を出すことができるだろ、とネロは言う。
論手 乙女はため息をつく。
「…もう、人をいじめても何も楽しくないからよ」
虚しくなっちゃったの、と彼女は呟く。
「あと」
論手 乙女は静かに続ける。
「異能力を使っても、本物の友達はできないからよ」
そう言って、彼女は宙を見上げた。
「あなたは良いわね」
どこまでも付き合ってくれる友達がいて、と論手 乙女はネロに目を向ける。
ネロは少し驚いたような顔をした。
「…そろそろ良いかしら?」
いつまでもこんな所にいるワケにもいかないし、と彼女はネロに言う。