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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 15.オーベロン ㊱

「あ…まぁ、良いけど」
ネロがそう言うと、そうと答えて論手 乙女はわたし達に背を向けた。
そしてそのまま歩き去ろうとした所で、論手 乙女は足を止めた。
「滋賀さん、友達を大事にするのよ」
彼女はこちらをちらと見て、そのまま歩き去った。
「…」
わたし達の間に暫く沈黙が流れた。
だがふと耀平がネロに近付いた。
「ネロ」
名前を呼ばれて、ネロは振り向く。
「おれ達も行こう」
耀平がそう言うと、ネロはうんとうなずいた。
そしてわたし達は元来た道へと戻っていった。

〈15.オーベロン おわり〉

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