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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 番外編 ある放課後 ④

「…耀平じゃダメだったの?」
ふとそう思ったので尋ねると、ネロはブフっと吹き出した。
「な、何で…」
ネロは恐る恐るこちらを見る。
「何でって…」
自分は淡々と続ける。
「ネロは普段何かがあった時すぐ耀平の所へ飛んでくじゃん」
そう言うと、ネロはうっと気まずそうな顔をした。
「自分の所に来たって事は、何かあるのかなって…」
自分がそうこぼすと、ネロは手の中の缶に目を落とした。
「…だって」
ネロはポツリと呟く。
「耀平に復讐を止められちゃったんだもん」
気まずくて会えないよ、とネロは言う。
「ボクさ、あのままアイツ…論手 乙女(ろんで おとめ)の記憶を全部奪って、苦しめてやりたいと思ってたんだ」
それでね、とネロは続ける。
「ちょうどショッピングモールで奴を見つけたから、これはチャンスと思って上手い事皆から離れてアイツを捕まえたの」
ネロは缶を握りしめる。
「それで人気のない所へ連れてったんだけど…」
ネロはこちらを見る。

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