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鏡界輝譚スパークラー Crystal Brother and Sister Ⅰ

「さようなら」
「さよならー」
今日の授業も終わり、生徒達が教室から去っていく放課後。
教室に1人、短髪の少女…加賀屋 水晶(かがや みあき)が残っていた。
水晶はホームルーム後も暫く窓際の席でぼーっとしていたが、ふと時計を見て急に立ち上がった。
そして荷物をまとめて教室の外へ出て行った。
水晶が向かったのは、校舎の1階にあるカフェテリア。
カフェテリアは生徒でそこそこ賑わっている。
水晶はカフェテリアの端に4人の生徒を認めると、そちらの方へ向かった。
「あ、みあきち」
カフェテリアの端で駄弁っていた4人組の1人、二つ結びの少女…仁戸田 紀奈(にへだ のりな)は水晶に気付いて笑顔で手を振る。
「待った?」
「ぜーんぜん」
あたしもさっき来たばかりだよ、と紀奈は笑う。
「そう」
そう言って水晶は4人の傍に座る。
「ねぇねぇ、みあきちにもさっきの話をしようよ」
紀奈の右隣に座る小柄な少年…福貴迫 弾(ふきさこ はずむ)は紀奈に明るく言う。
「さっきの話?」
弾の言葉に水晶は首を傾げる。
「あー今日この街にあの澁谷學苑の代表部隊が来るって話」
紀奈がそう言うと、水晶は少し顔を曇らせる。
「澁谷、學苑…」
「何でも、うちのSTIとの交流会の準備らしいよ」
交流会でうちのSTIの代表部隊と模擬戦をするから、そのための下見みたいと弾は続ける。

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