「! りょーかいしたァ!」
電話からの指示に答え、宗司は向かってきたカゲのうち1体の頭を片手で捕まえ、もう片方の手に持った戦槌と共に振り回し、カゲの群れを殴り倒した。
ヌシの叩きつけようとした拳は、灯が家屋の壁に撃ち込んだワイヤーの上を滑り逸らされ、その隙に初音が心臓の辺りを剣で刺し貫いた。
「駄目、手応え無い!」
言いながらすぐに剣を抉るように縦に向け、腹まで斬り開く。
「コアが無いんだけどこのヌシ!」
「馬鹿言え、相手はカゲだぞ! 無いわけ無いだろ!」
灯も脇腹の辺りにワイヤーを撃ち込むが、ヌシは怯む事無く次の一撃を放とうとする。
「そうだそうだ、既に俺たちの攻撃は十分に『絞れている』んだ。そう焦るこたァ無え」
宗司の投げた戦槌が、ヌシの右肩を貫く。
「……行けるな?」
灯が携帯電話に向けて問いかける。
『もちろん。みんなありがとう』
真理奈の狙撃が骨盤の辺りを貫き、ヌシのバランスが大きく崩れる。更に続けて4発の弾丸が腿、胸、肩、首を順番に貫通し、いずれかの弾丸がコアを破壊したのか、脱力してその場に斃れた。