確かに、その額には小さな角が生えていた。
「ほんとだっ‼︎」
よく気づいたねナツィ!とキヲンは目を輝かせる。
「いやそっちかよ」
露夏は思わず突っ込む。
「普通はもっとさ、違う方向にびっくりするもんだろ」
「えーそうなの?」
キヲンはそう言って首を傾げる。
「ねぇナツィ」
この様子を見て、かすみは思わず話しかける。
「結局あの生き物はなんなの?」
犬じゃないんでしょ、とかすみは続ける。
「…どうせあれは精霊の一種だろ」
ナツィはそう言って紅茶を一口飲む。
「しかも珍しい種類の幼生だ」
「ふーん」
かすみはよく分かっていないような返事をする。