「そんなことはどうでもいいだろ」
とにかくソレを元の場所に戻せよ、とナツィはキヲンに促す。
「えー分かってるよ〜」
そう言いながら、キヲンは前を向く。
…と、何かと目が合った。
「…!」
それは大きな獣型の精霊だった。
「…どきなっ‼︎」
ナツィがどこからともなく黒鉄色の鎌を出し、キヲンを押し退け目の前の精霊に斬りかかった。
しかし精霊は易々とその攻撃を避ける。
「…チッ」
避けやがって、とナツィは舌を打つ。
「お前らは下がってろ!」
コイツは俺が押さえる!とナツィは背後の仲間たちに呼びかける。