「そ、そんなワケないやい」
ココアシガレットがナンバーワンだよ、とネロは頬を膨らませる。
「へぇ、どこに根拠があるんだ?」
ミツルはにやにやしながら立ち上がる。
ネロはこう答えた。
「どこにも根拠はないけど…でもボクの中では1番!」
サワーシガレットばかり食べてるミツルは損してるよ、とネロは言う。
「ほーう、俺からしちゃココアシガレットばかり食べてるネロの方が損してると思うんだけどなぁ」
「何だよソレ⁉」
「まぁまぁ2人共」
ミツルとネロが睨みあった所で、耀平が2人の間に割って入る。
「とりあえず、どっちのシガレットが優れているかって話は良いからさ」
ネロ、おやつ買おうと耀平はネロの方を見る。
「お前がココアシガレットを切らしたから、今日はここに来たんだろ?」
耀平がそう言うと、ネロは渋々うんとうなずく。
「じゃあ、さっさと買おうぜ」
耀平の言葉に対し、ネロは分かったよとつぶやいて駄菓子屋の店内に入っていく。
わたし達もそれに続いた。