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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 16.トウテツ ⑦

「ま、おれ達と一緒に行動してた方がコイツにとっても利益になるしな」
耀平がふと呟く。
「一般人に異能力の存在を知られるワケにはいかない異能力者に襲われる可能性だってあるし」
耀平はそう言って手に持つ大きな海老せんべいをかじる。
「ま、ボク達が”一般人に異能力の存在をバラしてしまった”存在として寿々谷の多くの異能力者に知れ渡ってしまっているから、ボクらだって誰かの怒りを買っている可能性もあるし」
だから一緒に行動した方が良いかもね、とネロはココアシガレットをくわえつつこぼした。
「ふーん」
ミツルはにやにやしつつ言う。
「意外とソイツの事受け入れてるんだ」
「え、いや違っ」
ミツルの思わぬ言葉に、ネロは思わず立ち上がる。
「こ、コイツの事なんか全っ然受け入れてねーよ‼」
だってボク達の所に面倒事持ち込んでくるしさ!とネロは続ける。
「最初なんかずっとボク達に付いて来たし」
「まぁまぁ今では仲が良いじゃんか」
「仲良いように見えるかもしんないけど、ボクは友達なんて認めてないもん!」
ミツルにたしなめられても、ネロは思い切りそっぽを向いた。

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