その様子を見て耀平や師郎は苦笑いした。
口ではそう言っているものの、なんだかんだで仲良くさせてもらっているんだな、と思うと、わたしは嬉しかった。
しかし、ふとある事に気付いた。
「…そう言えば皆」
わたしがそう言うと、ネロ達の視線がわたしの元へと集まる。
「さっきから堂々と異能力の話とかしてるけど…駄菓子屋のおばあちゃんに丸聞こえなんじゃない?」
異能力の事が余計バレてるんじゃ…とわたしが言いかけた所で、ミツルが口を開いた。
「あぁ、大丈夫だよ」
喰代(ほおじろ)さんも異能力者だから、とミツルはさらに続ける。
「え⁈」
は?とわたしは思わず声を上げる。
「だ、駄菓子屋のおばあちゃんて異能力者だったの⁈」
わたしはつい駄菓子屋の店内のレジの所にいるおばあちゃんに目をやる。
おばあちゃんは真顔でこちらを見ていた。
「そうさ」
彼女はこの街に昔から住む生粋の異能力者だ、とミツルは立ち上がって笑う。
「えー…」
て言うかあのおばあちゃん”ホオジロ”って名字だったの…?とわたしは困惑する。