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ずっと親がコンプレックスだった。
親は二人とも県内トップの進学校で大学も一流、それに比べて私は要領が悪く勉強も苦手。
何をやっても鈍臭くて「なんであなたはできないの?」と言われ続けて育ち、気づけば自虐が特技になっていた。親からつけられた呼び名はポンコツ子。悔しいけど、あの人たちに勝てるものはほとんどなくて、せめて良い子でいて怒られないように過ごすだけで精一杯だった。
高3の冬に父がガンになった。お酒に翻弄されたが故の出来事に何も言えなかった。その頃には私の中で父がコンプレックスを超えて大嫌いになっていた。2年闘病して半年前に父は亡くなった。なのに、大嫌いだったはずのあの人の影が見えて、いないはずなのに無意識に姿を探して、夢にまで出てきて。いなくなって存在の大きさに気がついた。親子って不思議だなって思った。

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