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なつ。

「暑いねぇ」
さりげなく横目で隣を見る。
『そうですね』
相変わらずの冷たい返事にくすぐったい思いがする。
「アイスでも食べる?」
『…』
「あ、ごめん冷たいの苦手だったか」
隣の人が止まる気配がする。
思わず振り返る。
「ん?どしたん?」
『覚えて…くれてたんですか
 あの話をしたのは4月だったのに』
耳が赤く染まっている。
「当たり前でしょう」
胸を張って答える。
隣の人が私を追い越して行く。
『…はやく行きますよ、
 ジェラート屋でもいいですか』
「もちろん!」
ふたりの間に爽やかな風が吹き抜ける。

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