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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 16.トウテツ ⑪

「まぁ、皆さんお揃いで」
声がする方を見ると、道の突き当たりにある建物の上に奇妙な少女が立っていた。
「何かの帰りかしら?」
白い肌にフリルで飾られた白いワンピースを身にまとい右手に鞭を持った少女が、わたし達に向かってこう尋ねる。
その目は血のような暗赤色だった。
「ね、ねぇ、あの子は誰なの?」
知り合いか何か?と皆に尋ねたが、4人共返事をしない。
むしろ凍り付いたように動けなくなっているようだった。
「ねぇ、皆どうし…」
「皆さんお暇なら、わらわと遊んでくださらない?」
わたしが言いかけた所で、少女はそう言った。
へ…とわたしが呆然としていると、ネロが何かを呟いた。
「え?」
わたしが聞き返すと、ネロがバッとこちらを振り向いた。
「逃げろ‼」
え、何で…とわたしが言いかけた所で、少女が手に持つ白い鞭を振るった。

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