白い鞭は瞬く間に伸びてこちらに迫ってくる。
白い鞭がわたしの目の前まで伸びてきた時、ネロはどこからともなく大鎌を出してそれを振るい、白い鞭を跳ね返した。
「⁈」
わたしが驚くと、ネクロマンサーが再度こちらを見た。
「逃げろって言ってる‼」
ネクロマンサーがそう怒鳴ると、耀平がわたしの腕を引っ張った。
「⁈」
わたしの困惑も気にせずに、耀平は駆け出す。
師郎や黎も別々の方向へ走り出した。
「え、ちょっと待ってちょっと待って‼」
わたしは引きずられながら耀平にそう言うが、彼は全く取り合おうとしない。
むしろ、わたしの事を無視しているようだ。
「ちょっと待ってよ‼」
暫く走った所で、わたしは路地の真ん中で無理矢理立ち止まる。
耀平も前へつんのめりつつ足を止めた。
「ねぇ耀平待っ…」
「おいお前‼」
わたしが息切れしながら呟きかけた所で、耀平がわたしに怒鳴った。
「お前…ネロが言ってた事が分かんねぇのか⁈」
逃げろって言ってたろ!と耀平は語気を強める。