0

ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 16.トウテツ ⑭

「…テメェ」
ネロはふらつきながら黒鎌を出し、それを少女に向かって構える。
「今度はボク達を狙おうって言うのか‼」
ネクロマンサーはそう問いかけたが、少女はうふふふふと笑うばかりだった。
「…それなら、ボクが止めてやる‼」
ネクロマンサーはそう叫んで少女に飛びかかった。
しかし少女は恐れるそぶりを見せず白い鞭を振り回す。
「おい!」
お前今の内に…と耀平は2人が戦う隙にわたしの背中を押す。
「え、ちょっと…」
わたしは困惑したが、耀平は気にせず続ける。
「ネクロがアイツを足止めしてる内に、さっさと逃げろ!」
おれ達のことは良いから!と耀平は語気を強める。
「え、あ、うん…」
わたしは彼の有無を言わせぬ雰囲気に押されて歩き出す。
「早く‼」
「うん!」
耀平に急かされて、わたしはその場から走り出す。
なぜあの少女はわたし達に襲いかかってきたのだろう。
なぜ彼女を皆は恐れるのだろう。
そもそもあの少女は何者なんだろう。
頭の中で様々な疑問が渦巻く中、わたしは日の落ちた路地裏を駆けていった。

〈16.トウテツ おわり〉

  • ハブ ア ウィル ―異能力者たち―
  • 次のエピソードに続け!
  • 思ったよりかなり短く終わった
レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。