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偽人小歌 Ⅳ

「ぐふっ」
「がっ」
黒服の人物たちは一瞬にして倒されてしまった。
「…お、おのれ」
人造人間、めと呟いて、黒服の人物たちの内の1人は気絶する。
眼帯の少年は黙ってそれを見ていた。
「さすがはアカネね」
突然声が聞こえたので眼帯の少年…アカネが上を見ると、近くの建物の屋根の上からヘッドドレスを身に付けた少女が飛び降りてきた。
「瞬きする間もなく2人も制圧しちゃうなんて」
すごいわねぇと少女は手を叩く。
「なぁに、シオンのアシストがあったお陰さ」
シオンが後ろから1人撃ってくれたから、とアカネは笑う。
「まぁ、気付いていたの」
うふふふふとシオンは手に持つ拳銃を背後に隠した所で、背後から声が聞こえた。
「2人共ー!」
ふっと声がする方を向くと、メガネの少年が2人の元に走ってくる。
「あらミド…」
「後ろーっ!」
ミドリの言葉で2人が振り向くと、先程撃たれた人物が立ち上がっていた。
「俺たち人間を、舐めやがって…」
お前らのせいだぞ…と黒服の人物は銃器を構える。
「お前ら人造人間のせいで、俺たちは!」
黒服の人物が銃器のトリガーを引こうとした時、近くの建物の屋根の上を走る音が聞こえた。
黒服の人物がハッと振り向くと、メガネの少女が建物の屋根の上から鞘に納まった状態の太刀を振りかざしながら飛び降りてきていた。
「⁈」
黒服の人物が身構える間もなく、少女の太刀は相手の脳天にぶち当たる。
「ぐぁっ」
黒服の人物はうめき声を上げて倒れた。
「…」
着地した少女は一息つくと太刀を元のように腰に帯びた。
「皆さん、大丈夫ですか?」
お怪我は…と少女は心配そうな顔をするが、アカネはムスッとした顔をした。
「…お前、トウカはどうした」
「あ、車まで送り届けました」
少女がそう言うと、アカネはそうじゃなくて!と声を上げる。
「お前こういう時はトウカと一緒にいろって言ったじゃないか!」
何が起きるか分からないし、とアカネは語気を強める。

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