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Trans Far East Travelogue49

俺達2人を乗せた西船橋行きの総武線各駅停車が御茶ノ水駅3番線に入線して発車メロディが鳴る寸前までの約30秒の間に偶々路線図を見ていて衝撃の事実が発覚し、急遽この電車を降りることになった。
その事実というのは、同じ駅を2度通過しない一筆書きのルートでかつ途中下車しないという条件付きであればJRが定めた特定の大都市近郊区間の範囲内完結の切符に限り始発から終電まで好きなルートで鉄道を利用できるという制度を利用するこの旅で、まさか言い出しっぺのはずの俺が利用予定の常磐快速線で一度通過した駅を数時間後にその駅に接続する武蔵野線で通ることになり、それもJRの会社が定めた特例区間では無いため不正乗車扱いになるのだ。
流石に焦って作戦を練り直そうとしたが、ターミナルの東京駅の方が選択肢が多いため発車メロディが鳴り響く中慌てて飛び降りて来た俺の異変に気付いた嫁が声をかけてくれたのだが、ここでもとんでもないやらかしが露呈した。
なんと、定期的にあるダイヤ改正の存在を忘れていて最新の時刻表を見ておらず一世代前のダイヤで旅程を考えており、蘇我方面の京葉線快速はホームが離れている東京駅の乗り換え時間を除いても1時間ほど待たされる8時53分の上総一ノ宮行きまで無いのだ。
しかも、この電車も停車駅の都合で乗り通すことができない。
言い出しっぺの俺の行程がほぼ壊滅したことを受けて絶望していると嫁がありがたいことを言ってくれた。
「私は長旅でも大丈夫。あなたも覚えてるでしょ?それより、前にあなたが言ってたの覚えてるよ。房総行きたいって。だから、房総行きなよ。私もさっきJRの公式アプリで最新の時刻表見たけど総武線で君津って所まで行く電車が8時1分にあるからそれ乗って行けば?私なら大丈夫やから。」とのことだ。
そして、嫁に礼を言って一緒に東京行きの中央線快速に乗り込み俺も最新の時刻表を見ると君津から先少々乗り換えの間隔は空くが高崎迄は予定通りの路線を確実に使えることになった。
ところが、高崎でも八王子でも新宿まで行く終電が終わっている時間に着くため高崎には行けず、小山で宇都宮線に乗り換えて新宿に向かって引き揚げるのが賢明だと悟った。
暫くして東北線の高架が下りて来てこちらの目線が高くなってゆき東京駅に到着し、駅弁の確保にも成功して準備が整った。
さあ、気を取り直して再出発だ!

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