私は大きな溜息を吐く。
自分を創造した作者のせいで、やれ「量子力学」だの「なんとかの猫」だの小難しい事ばかり口にしなければいけないから。ほら、もう名称を一つ忘れた。
あとは「インテリ」という言葉を使わないでほしい。私にはとても荷が重く、おまけに全く似合わない。
黒髪 + 眼鏡 + なんかクールな雰囲気 = インテリ少女
そんな都合の良い方程式があるわけないでしょ!
うん、よし……こうなったら変身しよう。
今度は何になろうかな?恋愛ノベルによくいるモテヒロイン?名家の生まれの悪役令嬢?いっそ振り切って、戦隊モノの黒幕とかも面白そう!
少女はウキウキと想像を膨らませながらこう叫んだ。
「変身!」