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鏡界輝譚スパークラー:プロフェッサーよ手を伸ばせ:その②

「こいつで、カゲ化した部分よりちょっと上からスパっとやるのさ」
「……止血とかは」
「大丈夫。切断と同時に切断面にバリアを張って止血する仕掛けになってるから」
「あぁ……そうなんだろうとは思ってたが、やっぱりP.A.なのか」
「うん。一応アフターケアも用意してるけどね。万が一ワタシか君がカゲに手足をやられた時のために。……さて、やるか。その子押さえてて」
メスを両手に持って立ち上がり、その刃を少年の腕に当てる。
「…………救命のためとはいえ、……人体に刃を当てるっていうのは、なかなか緊張するねぇ」
軽口のように言い放つが、明晶の手は震え、呼吸は少しずつ荒くなっている。
「プロフ」
「ん?」
「パス」
「あっ」
吉代がメス型P.A.を奪い取り、勢いのまま振りかぶった。
「っ、肩より10㎝程度先を狙って切断して!」
「了解!」
まだ人間的な腕の根元部分に、メスが入る。その刃は光の力によってほぼ何の抵抗も無く肉も骨も切断し、その切断面には光の壁がぴたりと貼り付いて完全に密閉した。
「いやぁ……ありがとうね、親友」
「ん」
「ここからはバリアを構成してる光の力を、人体の代替パーツに変形させて、自然治癒を待つ」
「さすがにこのバリア1枚分で腕全部補うのは無理じゃないか?」
「そりゃそうさね。だからこれを使う」
そう言って明晶は、未だ冷気を吐き出し続ける箱の中から、もう一つのP.A.、金属製の義腕を取り出した。

  • 鏡界輝譚スパークラー
  • 蘇れ長編!
  • 最初に吉代に抑えさせたのは浸蝕を遅らせるため
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