「私言おうとしたんだけど」
グレートヒェンがそう言うと、別にいいじゃないと藤紫色の髪のコドモが笑う。
「ちゃんと“きょうだい”に説明してもらって嬉しいわ」
藤紫色の髪のコドモこと“メフィストフェレス”はそう言ってナツィの顔を覗き込む。
ナツィは、テメェには言われたかねーよと顔を背けた。
「そもそも俺はお前のことを“きょうだい”だなんて思ってねーし」
「あーら照れちゃってー」
メフィストフェレスはそう言って微笑むが、ナツィは益々嫌そうな顔をした。
「まぁそんなことはともかく」
さっさと行きましょ、とグレートヒェンは手を叩く。
「他にも魔術師がこの捕獲作戦に参加してるって言うし」
待たせては悪いわ、とグレートヒェンは微笑む。
「そうだな」
「そうね」
「…」
それぞれがそう答えると、4人は山の奥へ向けて歩き出した。