手に入れた途端に、その脆さに怯えた。 「すき」と口にする、 その息すらも詰まるほどの沈黙に、夕日が落ちていく。 彼の手が震える。 同じ不安に襲われていると信じる、 かたく、つよく、握りしめる。 「すきだよ」もう一度吐き出す、 頼りない息が、目の前をすっと伸びていく。 どうか。 どうか、この幸せを少しでも長く。