「ナツィ!」
グレートヒェンがそう叫ぶ頃、ナツィはどこからともなく大鎌を出して上から飛び込んできた、“それ”の剣を弾いた。
「テメェ」
「…」
そこに立っていたのは橙色の髪をなびかせた少女だった。
「出やがったな、ホムンクルス!」
ナツィがそう怒鳴ると、少女は魔術師の手先かと呟く。
…と、どこからともなく矢が飛んできた。
「!」
ナツィは思わず後ろに飛んで避ける。
矢の飛んできた方を見ると、離れた茂みから短髪の少年が弓を構えていた。
「他にもいるのか!」
ナツィはそう言うとグレートヒェンにおい!と呼びかけた。
「他の魔術師も呼んできてくれ‼︎」
奴ら、他にもいる!とナツィは声を上げる。
グレートヒェンは黙って頷くと、その場から走って離れた。
「…」
ナツィは大鎌を相手に向かって構え直す。
そして相手のホムンクルスに向かって駆け出した。