「えー…」
マジか…とルビーは口に手を当てる。
「…“きおくそーしつ”って奴?」
不意にサファイアがこぼしたので、ルビーがサファイアに目を向ける。
「あー、まぁ、そういうのだろうね…」
ルビーはそう言うと、目の前の青緑色の髪のコドモの方を向いた。
「…君、本当に何も覚えてないの?」
ルビーがそう尋ねると、あ、はいと青緑色の髪のコドモは答える。
「ここで目覚める前のことは一切覚えてないですね」
その言葉を聞いて、ルビーは顎に手を当てて考え込む。
「うーん」
それじゃあどこへ帰すべきか分からないしなーとルビーは呟く。
「かと言っていつまでも家に置いとく訳にはいかないし」
うーん、とルビーは腕を組む。
「…じゃあ、探しに行く?」
サファイアがイスの上からルビーを覗き込みながら聞く。
「ボクたちと同じように身体に鉱石が生えてるってことは、メタルヴマなんでしょ?」
なら、どこかの一族の一員かもしれないよねとサファイアは青緑色の髪のコドモに目を向ける。
「それなら正体も分かるんじゃないかな」
サファイアがそう言うと、ルビーは…なるほどと青緑色の髪のコドモを見た。