「ここは“ベリル”一族のテリトリーさ」
あたしらとはそこそこ敵対してる、とルビーは淡々と言う。
「え、敵対してるって…」
青緑色の髪のコドモがそう言いかけた時、突然背後に気配を感じた。
ハッと振り向くと、銀髪のコドモが3人に向かって飛びかかろうとしていた。
「⁈」
何がなんだか分からないまま青緑色の髪のコドモはルビーに腕を引っ張られる。
すんでの所で青緑色の髪のコドモは銀髪のコドモを避け切った。
「っ!」
銀髪のコドモはそのまま地面に転がる。
その背中には透明な鉱石が生えていた。
「おー相変わらずだねー」
“ゴシェナイト”、とルビーが笑いかける。
「コランダム一族のルビー!」
ここに何しに来たんだ!と“ゴシェナイト”と呼ばれたコドモは立ち上がる。
「いやぁ、身元不明のこの子がどこの一族の子か聞きに来たんだけど…」
ルビーは隣の青緑色の髪のコドモの肩に手を置いて言うが、ゴシェナイトはうるさい!と言い返す。
「今度こそ、この間の借りを…」
「ゴシェナイト」
ゴシェナイトがそう言いかけた所で、通りの奥から澄んだ声が聞こえた。