「…」
山の斜面の下の方で、赤毛の少女がひっくり返っている。
少女はぼんやりと空を見上げていたが、やがて自分に近付く足音を耳にして音がする方に目を向けた。
「…」
短髪の少年がすぐ傍で少女を見ている。
「お前」
赤毛の少女ことグレートヒェンがそう呟くと、少年は手に持つ短剣をグレートヒェンに向けた。
「…人間は自分勝手だ」
勝手にぼくらを作って、好き勝手に使って…と少年は続ける。
「それでぼくらは人間たちから逃げ出した」
それなのに…と少年は声を震わせる。
「奴らは追いかけてきて…」
ぼくらの平穏を、壊そうとしたと少年はこぼす。
「許さない」
少年は静かに短剣を振り上げる。
…と、ふと少年は背後に気配を感じた。
ハッと振り向くと、黒い翼を生やしたコドモが大鎌片手に飛びかかってきた。
「⁈」
少年は横に飛んでそれを避ける。
あ、ナンバリングミスった。
Act 11じゃなくてAct 12だったね。