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Trans Far East Travelogue63

店に着いて皆でエールを飲み始めたは良いが、俺達を見て絶句している。
暫くして,俺と同じ日に学校に着いたが羽を伸ばし過ぎて怒られて急遽先に帰国したAが口を開いて「お前から『嫁を連れて来る』って聞いてたけど、お相手が予想と違った」と爆弾発言をする。
それを聞いた嫁は困惑した様子なので「実は、セブにいた時はとある台湾の女性に恋してたんだ。そこまではこの3人も知っててその先は俺と兄貴達以外は誰も知らないんだけど,台湾までその人に会いに行っていざ告白したら翌日その人の地元,台南で行われるイベントの時に返事を告げるって言われたので高雄の兄貴達と現地で合流ということで台南まで行ったんよ。そしたらさ、それがその人の結婚式で、兄貴が通訳してくれたことでフラれたことが確定した挙句プロ野球もサヨナラ負けしたから所持金全額つぎ込んで皆でヤケ酒飲んで,兄貴が台湾で興した新興財閥で働くことを条件に出して貰った金で帰国したんだ。それが奇しくも去年の11月、俺が21になった誕生日のことさ。そして,俺のことを色々知ってた兄貴に気遣って貰って観光を通じた国際交流促進目的の子会社の『韓国にもルーツを持つ日本人スタッフ』としてソウル支社で働くことになって暫くは韓国と日本を行き来していて、ある日台湾の本社から呼ばれて,ビザを取れなくて経由他のロシアに入国できなくなった紀行文や他の国の紹介記事執筆担当者の代理としてシンガポールから鉄道旅をしてたら高3当時の恋心が再燃して君と結ばれたので作品は急遽恋愛要素を加えた物に変更になって売れてさ…今までまで隠しててごめん」と言って説明も交えつつ謝ると「でも、それ以降はもう私一筋なんでしょ?」と嫁が訊くので「当然さ。あの鉄道旅で時間を共有するうちに再燃した恋心が愛情と独占欲に気持ちが変わっていったからな」と頷いて即答すると嫁は俺に口付けして「これからもずっと一緒にいようね」と笑い、今まで空気になってた3人が「早く呑もうぜ」と促すので「そうだな。よーし、飲んべ!」と言うと嫁が更新されてゆく野球速報を見せて「巨人サヨナラ勝ち!」と言うのでガッツポーズすると、唯一入学から卒業までずっとクラスメイトだった奴から「なんか送別会思い出すなぁ」と笑われた。
嫁も一緒になって飲む酒は,かつてセブで飲んだ物より甘味が入っている。

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