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Metallevma:水晶玉は流星を見通す その⑥

「しかし……困ったねェ」
一頻り笑った後、アメシストが無感情に呟いた。
「私らクォーツの中じゃ、私とルチルのコンビは最強の呼び声高いわけだけど……戦術の核になる私の手足は、とっくの疾うにズタボロだ」
「……なら、どうする? 私一人でアレを相手しろと?」
「いやァー……それは駄目でしょうよ。嫌だよ、自分が何もできないのに目の前で仲間が殺されるのを見るとか」
「私だって嫌だ」
「あ、次が来る」
アメシストが残った足でルチルを蹴り飛ばし、その反動で自分も飛び退くことで斬撃を回避した。
続いて飛んでくる斬撃を、アメシストは転がるように回避するが、躱しきれずに左肩を深く切り裂かれる。
「うあぁー……すまない相棒。もう駄目っぽい」
「馬鹿言うな!」
無数の水晶柱でトロイライトを生き埋めにしてから、ルチルはアメシストを素早く助け起こした。
「冗談言ってる暇があったら考えるんだ、アレを追い払う方法を!」
ルチルに言われて、アメシストはルチルの顔をまじまじと見つめた。
「……本気で言ってる?」
「……どういう意味だ?」
「アレ、本当に『倒さなくて良い』の?」
「倒せないだろうあんなの。今を生きて乗り切れれば、それで良い!」
真っ直ぐに言い切るルチルに頭突きを当ててから、アメシストは高らかに笑い地面に倒れ込んだ。
「ああ分かった! 私がどうにかする。奴の注意を私から完全に逸らしてくれ!」
「了解した」
水晶柱の山を吹き飛ばし現れたトロイライトを睨み、ルチルは短く答えた。

  • Metallevma
  • 何か昨日反映されなかったんやが
  • 死なないって素敵だね
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  • あるよね、書き込みが反映されない時。
    KGBさんに弾かれるパターンもあるけど、時々書き込みの内容が上手くサーバーに届かなくて反映されないこともあるから、そっちかも。
    それにしても“死なないって素敵”ね…
    そういう設定を作ったのはぼくとは言え、そう言われるとなんか複雑。