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Metallevma:水晶玉は流星を見通す その⑨

「何か飛んでくるのは分かったけど、あんな怖いものが飛んできてたんだァ……」
ネコメも岩石塊を見つめ、絞り出すように呟く。
「ねこちゃん、にげよ」
クリスタルに上着の袖を引かれ、ネコメは頷いて立ち上がった。
「うんそうだね。全く戦えないボクらは邪魔にならないようにしなくちゃだ。生存最優先!」
ネコメはクリスタルを抱え岩石塊から離れるように駆け出し、その場に取り残されたのは、ローズ一人。
「この大岩……まるで隕石? いや、衝撃はほぼ無かった……」
「そうであろう? 我が異能によって降り注ぐ隕鉄は、それ自体の質量によってのみ破壊を引き起こす! その純粋たること、これより美しい能力は他に類を見ないだろう!」
上空から朗々と語る声にローズが見上げると、隕鉄塊に突き破られた天井から見下ろす一人のメタルヴマの姿があった。
そのメタルヴマの腰より下は、核と思しき金属光沢を帯びた八面体の黒い結晶に埋まるように融合しており、右手に携えた軍刀を肩に担いでローズを睥睨している。
「美しいかどうかは別にして……失せろ侵入者!」
ローズが左手をそのメタルヴマに向け、能力を発動しようとする。しかし、何者かに背後から腹部を貫かれたことで、能力の発動は失敗に終わった。

  • Metallevma
  • 何となくヤバいものってことだけはネコメにも見えてる
  • 核でけえ!
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