「う、うー」
クリスタルは思わずうなだれたが、すぐに顔を上げた。
「あ、そーだわたしこの後用事があるんだったー」
わざとらしくそう呟くと、クリスタルはじゃ!と指を鳴らしてその場から消えた。
「あ、ちょっと待て!」
ルビーはそう言ってクリスタルを止めようとしたが、目の前で消えられてしまって力なくうなだれた。
「…全く、クリスタルらしいわね」
自分が面白そうなことを始めては、都合が悪くなるとすぐ逃げる…とエメラルドは呆れたように呟く。
「仕方ないよ」
それがクリスタルだもん、とサファイアはこぼした。
「…それで、どうするのルビー」
その子のこと、とエメラルドはルビーに聞く。
「生み出した当人に逃げられてしまった訳だし」
そのまま放っとく訳にもいかないしね、とエメラルドは呟く。
「うーん、じゃあ…」
ルビーは腕を組んで下を向いてこう答えた。