その後、わたしは寿々谷のあちこちを回った。
”彼ら”の溜まり場であるショッピングモール内や駄菓子屋、寿々谷公園、などなど。
思いつく場所を手当たり次第に当たってみたが。結局”彼ら”はいなかった。
一応、前に行ったネロの家にも寄ってみたが、インターホンを押しても誰もいなかったみたいだし。
本当に”彼ら”はどこに行ってしまったんだろう。
わたしはそう思いながら、駄菓子屋の店先で休んでいた。
「…」
そもそも、なぜ”彼ら”は今日は姿を現さないのだろう。
ふとわたしの中にそんな疑問がよぎる。
毎週”彼ら”は寿々谷駅前に集まって、遊んで、駄弁って…
まさか先週の事が関係している?
不意にわたしの中にそんな仮説が浮かぶ。
…確かに、先週変な少女と出会って、わたしは”彼ら”に逃がされた。
その時、あの少女は”他の異能力を頂いた”と言っていた。
そしてネロは、”今度はボク達を狙おうって言うのか‼”と言っている。
「…もしかして」
わたしはある1つの可能性に気付く。