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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 17.ヨウコ ⑧

「それ、本気で言ってる?」
そう聞かれて、わたしは本気ですと答える。
「友達の事を何も知らないだなんて、変じゃないですか」
わたしがそう笑うと、稲荷さんは呆れたようにため息をついた。
「…仕方ないわね」
稲荷さんはそう呟く。
「後悔しても知らないわよ」
そう言いつつ彼女は立ち上がった。
「…行くわよ」
そして稲荷さんはわたしに向かって笑いかけた。
「え、行くわよって、ど…」
困惑するわたしはそう言いかけたが、稲荷さんは笑みを浮かべてわたしの腕を引き立ち上がらせる。
「つべこべ言わずに行くわよ」
稲荷さんはそう言って歩き出す。
「え、ちょっと…」
わたしは引きずられるように歩き出した。

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