電撃を食らったクリスタルは大きく仰け反り吹き飛ばされたが、ネコメを助け起こした時から手を握り合ったままだったこと、そして、後頭部の水晶柱が世界の『境界面』を直撃したことで、その場から大きく後退することは無かった。
代わりに水晶柱が虚空に衝突すると同時にひび割れを発生させ、発生した穴に二人の身体が吸い込まれる。
「だッ、逃げンなガキ共!」
ライトニング・クォーツは二人に向けて電撃を放ったが、2つの世界の境界上で弾かれるようにかき消され、2人には届かなかった。
淀んだ空間を二人は落ち続け、遂に落下した場所は庭園の一角、小さな池の畔だった。
「……助かったのかな?」
「にゃっ」
「ありがとね、クリスチャン。立てる?」
「たてにゃい……」
「だろうね、ボクも身体がまだ痺れてるもの……」
2人が電撃のダメージで転がったまま動けないでいると、ガーデン・クォーツがやって来て二人を見下ろしながら話しかけてきた。
「……驚いたな。まさか生きて戻ってくるとは」
「およ、ガーデンのひと。たすけて、動けないの」
「ワタシの言うことを聞かなかった罰と思ってしばらくそのままでいろ。外に放り出すくらいはしてやる」
「うげぇ助かりマス……」
未だ動けない状態の二人を抱え、ガーデンはその場を離れて庭園の外に二人を放り出した。
「動けるようになったらすぐ帰れよ。ワタシは封印の確認をしなければならないんだ。これ以上手間をかけさせるなよ」
「あい了解……」