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わたしだけのヒーロー

わたしだけのヒーローは大好きなS先輩です。

私は、中学生の時頃から現在まで、吹奏楽部に所属していてトランペットを吹いています。

S先輩は中学生の頃の同じパートの先輩で、声が大きくて、笑顔が素敵で、美人で、可愛くて、トランペットも上手で、憧れの先輩でした。

学校は分かれてしまったのですが、縁あって高校でもふたりとも吹奏楽部に入部しました。

しかし、私は勉強との両立や部活内での人間関係に悩み、部活や学校に行けなくなってしまい、今年の夏のコンクールまで頑張って、部活をやめようと思っていました。

今年の夏のコンクールはS先輩にとっては最後の舞台だったので、S先輩の学校の演奏を楽しみに当日を迎えました。

S先輩の学校の番がやってきました。

S先輩は、コンクールにも関わらず、スタンドプレーで美しくソロパートを吹き上げていました。
(※コンクールではスタンドプレーをしてはいけないという暗黙のルールがあります)

その瞬間、S先輩との思い出やトランペットを吹くことの楽しさ、色んなことが涙と共に溢れてきて胸がいっぱいになりました。

その後、やはり自分にはトランペットしかない。S先輩のようにもっと自由に美しく演奏したいと思って部活を頑張っています。

あのとき、私を救ってくれたS先輩は今までもこれからもずっとわたしだけのヒーローです。

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