喫茶店の裏で集合し、歩き出したピスケス達は駅から程近い所にある繁華街へ向かった。
今日の夜、繁華街の裏路地にある店で件の魔術道具の取引が行われるという。
“学会”はそこを狙って襲撃をかけるつもりでいるのだ。
「つくづく思うんんだが、この人数でなんとかなるのか?」
繁華街の人混みを歩きながら、ナツィはポツリと呟く。
「まぁなんとかなるんじゃない?」
私達以外にも“学会”の魔術師が数人、この襲撃に参加するって言うし、とピスケスは振り向きざまに笑う。
「そうかい」
ナツィは適当にそう返した。
「なぁ、おれって今回もいる必要ある?」
お前らに比べれば戦力的に劣るから、いてもいなくても変わらないと思うんだけど、と露夏がこぼす。