「もちろん、お前にもいる必要あるわよ」 お前は私の“狗”なのだから、とピスケスは微笑んだ。 「さて、着いたわよ」 ピスケスがそう言って、裏路地にある建物の前で立ち止まる。 見ると怪しげな3階建ての建物が立っていた。 「ここか」 建物を見上げて、ナツィはそう呟く。 「ここの3階に入っている店で取引が行われるらしいわ」 ちょうど取引が終わって荷物を持った人が建物を出た所を襲撃するつもりよ、とピスケスは笑う。 「…で、おれ達はどうするんだ?」 露夏がピスケスにふと尋ねる。