忘れないでと笑った君の 手のひらでガラス玉が 揺れたから また 夏がはじまる 書けそうで書けないユーウツの文字さえ ふらりと 意味をなくしそうだ 夕焼けが照らす頬 撫でてゆく風に さらわれないように 握りしめた思い出 止まったままの砂時計 風鈴の音色に呼び戻された世界で 僕は静かに呼吸をしている 忘れないでと泣いた君の 手のひらがゆらゆら 揺れたから また 夏がおわる 風鈴の音色に呼び戻された世界で 僕だけが静かに呼吸をしている