「油断してたみたいね」
桜色の髪のコドモはゆっくりと立ち上がる。
「さぁ、あなたもこの蔓の餌食に…」
桜色の髪のコドモがそう言いかけた所で、離れた所から声が飛んできた。
「おーい、サクラメントー」
声がする方を見ると、車の傍で若い男が手を振っている。
「撤収だってさー」
サクラメント、と呼ばれた人工精霊はマスター!と言って振り向く。
そして男の方へ駆け出した。
「マスター、帰るって本当?」
「そうだよ」
上からの命令だってさ、と男はサクラメントの頭を撫でる。
「じゃあ早く帰りましょう」
サクラ達のあ・い・の・す・へ、とサクラメントは男の腕に抱きつきながら言う。
男は分かったよ、と言って、2人は車に乗り込んだ。
そして車は走り去っていった。