0

深夜の珈琲占い No.5

伏せた僕たちの頭上を通り抜けたのは、小屋程ある巨大な氷板だった。
そして、僕の上に降ってきたのは。

「マスター⁈」

彼女の髪だった。
腰まであった群青色の髪は今や、肩につく程短くなっている。

「...チッ」
「マスター!大丈夫ですか⁈」
「大丈夫だよ怪我はしてない。髪の毛ならまた伸びるしね。」

そう言う彼女の全神経は、目の前の巨獣、クリアウルフに注がれていた。
先程の氷板の二倍はあろうかという巨獣が、二体。
どちらも緑色の目で、こちらを見つめている。

「あれが今回の...!」
「うん。そうだよ。とりあえずさがり給え、君まで巻き込みかねない。」

そう言うと、彼女は呪文を唱え始める。

「マスター、まさかそれ...!」

  • ぼくのわたしの主従関係
  • 読書中毒者の書いた話
  • レスください。
レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。