俺たちは店を出て、あてもなく繁華街を歩いた。
そして。
人通りのない路地で、俺は足を止めた。
「優?どうしたの?」
俺は先刻から薄々思っていたことを口にする。
「お前さ、もっと他に用件があるんだろ?俺に。俺じゃなきゃいけない用が。」
当たってるだろう。そう思った。
当たって欲しくない。そうも思った。
「バレちゃったかぁ、優、カン鋭い方だっけ?」
当たってしまった。
当たってしまった以上、口にせざるを得ない。
「お前、回りくどいんだよ。俺に用って言ったらほら、あの時の小せ
俺が最後まで台詞を言い終わる事はなかった。
なぜなら。
「ごめんねぇ。恨むなら、自分の生まれた時代を恨んでね。」
鳴り響く銃声。
その日、俺、加藤優は確かに死んだ。
否。
死んだはずだった。