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横暴狩り その⑦

落ちてきたイグアナを抱きかかえ、その雑居ビルの屋上に人目を避けながら上がると、無数のイグアナが何かを取り囲み、ドームのように固まっていた。
「あー……ハロー? 落とし物を届けに来たよ」
イグアナの壁をノックしながら湊音が呼びかけると、内側からもノックが返ってくる。
「出てくることはできそう?」
「むり……」
「そうか。じゃあイグアナたちを少しずつ退かしていくことにしよう。もう少しだけ、待っていてくれるかい?」
「うん……」
返事を聞いてから、湊音はドームを構成するイグアナの1匹に手をかけた。途端に、別個体が素早く首を回し、その手に噛みついてくる。
「おっと……これは厄介だね」
過去干渉で回避したものの、同じように攻めてはまた噛みつかれるだけだろうと、湊音は1歩下がってから再び思考を巡らせ始めた。
「…………小人くん、いるかな」
土くれ小人に呼びかけ、足下に招集する。
「何か、頑丈な棒があると嬉しいんだけど。木の枝程度で構わないからさ」
それを聞いて、土くれ小人は敬礼をしてから屋上から飛び降りた。

  • ぼくのわたしの主従関係
  • ノックはセーフなんだ……
  • 想像するとアレな絵面だなこれ
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