「それに、おれ達にはネロがいるし」
「ちょっ、褒めるなよ~」
耀平の言葉にネロは照れるじゃーんと笑顔になる。
「ま、そんな事はともかくさっさと駄菓子屋に行こうぜ」
ネロのココアシガレットが切れたんだろ?と師郎が皆を促す。
「分かってるよー」
「じゃ行こうぜ」
ネロと耀平はそう答えるとまた歩き出す。
師郎と黎も2人に続いた。
わたしも皆に置いていかれないように歩き出したが、すぐに足を止めた。
と言うのも、ネロが急に立ち止まったからだ。
「?」
どうしたネロ、と耀平が不思議そうにネロの顔を覗き込む。
ネロは後ろをむいたまま、先程わたし達とすれ違った少女とその親に釘付けになっている。
「…ネロ?」
耀平が再度呼びかけた時、ネロは突然少女に向かって駆け出した。