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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 18.メドゥーサ ⑤

「…」
ネロはそっぽを向いていたが、何だか気まずそうな顔をしていた。
「やっぱり、”あの子”の事なんだろ」
おれに話してごらんよネロ、と耀平は彼女に声をかける。
「何かスッキリするかもしれないぞ~」
耀平はそう言って笑う。
ネロは暫く向こうを向いていたが、やがて耀平に向き直った。
「先週、駅前ですれ違った”あの子”…ボクの知ってる異能力の”匂い”がしたんだ」
ネロがぽつと言うと、耀平は”匂い”と返す。
「そう”匂い”」
ボクは知っている異能力者を雰囲気で判別できるから分かるんだけど、とネロはうなすく。
「知っている”匂い”がしたんだ」
それもボクが知っている”匂い”じゃなくて、とネロは続ける。
「”ネクロマンサー”が知ってる”匂い”なんだよ」
ネロがそう言うと、耀平はふむ…と腕を組む。
「…つまり、お前と同じ異能力をかつて持っていた人間と関わりのある異能力者、って事か」
耀平がそう言うと、ネロは静かにうなずいた。

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